首痛

人間の頭は大変重く、体重の10％ほどの重量を占めるとされています。体重60キロの方なら、6キロ相当ということです。寝ているときなど以外の時は、首がこの重量を一手に支えていることになります。いつも頭がまっすぐ体に乗っていればいいのですが、うつむく姿勢をとると、頭の重みに加えて重力がかかります。それを落とすまいとし、首の後ろ側に大きな負担がかかることになります。

首が前に15度傾くと12㎏、30度で18㎏、45度で22㎏、60度で27㎏と、首を傾ける角度により首に係る負担は重くなります。

本来の首は緩やかなカーブを描いている状態ですが、首をうつむくような状態を続けることでまっすぐになってしまった状態をいいます。

ストレートネックはうつむき姿勢を習慣にしているとなりやすいですが、「頸椎のストレート化」が進行すると、頭の重みがまともに骨にかかるためいっそう頸椎が弱ってくることになります。

また、こうして頸椎が疲弊してくると、だんだん頭の重みを支えるのがきつくなり、頸椎のまわりの筋肉がこり固まって緊張してしまいます。こうした状態は、頸椎が弱ってきた証拠であり、”首のSOS"のようなものです。

脳は体のすみずみにまで神経の網を張っていて、その中で起きたできごとは漏らさず”脳”に報告される仕組みになっています。

この“脳”が弱ってくると末梢神経が果たしている機能も落ちてしまうのです。

みなさんも日ごろ、脳を酷使して疲れさせていませんか？脳が本来の機能を発揮するには、十分な休息が欠かせません。

1. 睡眠　睡眠時間を削っての仕事、テレビやパソコンに夢中になり寝不足になっていないでしょうか。睡眠を十分にとれずにいると脳はその日の疲労を回復することができず、疲れを残したまま翌日を迎えることになります。そうした日が続けば、どんどん疲労が蓄積していってしまうでしょう。こうした睡眠事情が脳を疲弊する一番の原因となっています。
2. 目の酷使・脳の酷使　脳に入ってくる情報刺激のほとんどは「視覚情報」だと言われています。その情報量の多さは、目を疲れさせるにも脳を疲れさせるのにも、十分すぎるほどの量なのではないでしょうか。もしかすると、すでに許容量をオーバーしている方もいるかもしれません。あふれるほどの情報刺激を連日連夜、処理をしなくてはならずそれだけで目や脳は疲弊してしまっているのです。
3. 精神的ストレス　現代の生活では右を向いても左を向いてもストレスの種ばかりです。お一人で悩み、ストレスをため込んでしまい、毎日のストレスの蓄積が脳を疲れさせる原因となっています。精神的ストレスが大きいと、睡眠の質が悪くなり脳が十分に休まらないということになります。こうした悪循環により、さらに脳疲労が進んでしまうことになります。